世界文学会

Society of World Literature JAPAN

2017年度連続研究会 第3回発表要旨

2017年度 連続研究会
『夏目漱石生誕150年によせて、「夏目漱石と世界文学」』
第3回発表要旨

 

「フランス文学と漱石」(荻野文隆)
1900年、漱石が留学のためイギリスに到着したころのヨーロッパは、二つの相反する動きに押し流されていました。ひとつは植民地獲得を競い合う帝国主義の絶頂期であり、10数年後には第1次大戦へと突入していく状況にあったことです。そして、1849年、ヴィクトル・ユゴーが「ヨーロッパ合衆国」で提示したヴィジョンに見られるように、ヨーロッパ列強の繁栄と平和の模索の動きがあったことです。しかしこの和解と繁栄の提案は、同時にヨーロッパがアフリカなどを植民地とし、文明をもたらすことによって実現されるとするものでした。漱石がロンドンの街中の鏡に映る自分の姿を大変みすぼらしいと感じたのは、そのユゴーの提案から半世紀を経た時代だったのです。漱石はこの時代をどのように生きたのか、そしてそれは当時のフランス文学の歴史性とどのように係わるものだったのかを、漱石とほぼ同年代の作家であるフランスのロマン・ロラン、ドイツのハインリッヒ・マンらとの比較を通して見てみたいと思います。

開催日時:2017年6月24日(土)午後2時~4時30分
開催場所:中央大学駿河台記念会館 (千代田区神田駿河台3-11-5 TEL 03-3292-3111)

JR中央・総武線
御茶ノ水駅下車、徒歩3分
東京メトロ丸ノ内線
御茶ノ水駅下車、徒歩6分
東京メトロ千代田線
新御茶ノ水駅下車(B1出口)、徒歩3分
都営地下鉄新宿線
小川町駅下車(B5出口)、徒歩5分

中央大学駿河台記念館地図

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