世界文学会

Society of World Literature JAPAN

第60回大会の報告

2014年度大会報告

世界文学会第60回大会が、2014年7月19日(土)午後2時より、中央大学駿河台記念館にて開催されました。

第1部 総会(午後2時~3時)

酒井府会長挨拶のあと大木運営委員長の司会のもとで以下の議題が報告・審議されました。

1 報告事項

1.連続研究会について(荒木研究企画委員長)

「植民地と文学」をテーマとして、昨年12月21日に第1回連続研究会シンポジウムが行われ、鄭百秀氏「「本ブラ」と植民地朝鮮のモダニズム作家」と大石健太郎氏「ジョージ・オーウェルと『ビルマの日々』」の発表があり、第二回研究会は、本年4月26日、元木淳子「植民地と文学─セネガルの場合」、第三回研究会は、6月21日、山下真史「中島敦と南洋」の発表が行われたことが報告され、次年度の連続研究会のテーマは「翻訳と文学」に決定し、予定として第一回は本年12月20日(土)に森本美樹「シェイクスピアと翻訳─悲劇を中心に」 酒井府「日本におけるドイツ文学の翻訳」、第二回は来年4月18日(土)木下豊房「ドストエーフスキイ文学と翻訳」(仮題)、第3回は6月20日、第四回は7月18日(土)杉山秀子「瀬沼夏葉のチェーホフの翻訳」と荻野文隆「ゾラの翻訳」の発表が行われることが報告されました。

2. 機関誌編集について(斎藤編集長)

昨年12月に118号「世界文学と家族」特集を出し、119号は「世界文学と故郷」を特集し、120号は「老いと文学」を特集し、来年6月発行で、原稿締め切りは来年3月15日であるとの報告がなされました。

3.その他(大木)

本年度は研究奨励賞の該当者はないとの報告がなされ、さらに、本会ホームページ担当者が山本氏から杉山秀子氏に交代し、それに伴い、杉山氏が新たに情報委員長と編集委員の責務を負うことになったことが報告されました。なお、会のホームペ―ジは公式には8月1日から新しくなるとのことです。

2 審議事項

1 会費値上げの提案(大木)

会の逼迫した財政事情から、一律1,000円の会費値上げ6,000円会員は7,000円に、3,000円会員は5千円に)が提案され、承認されました。なお、それにともない、数年間会費をまとめて納入している会員も2014年度から先払いしている会費が再計算されることになりますのでよろしくご理解ご協力お願い申し上げます。

2 会計報告(長谷川)

2013年度会計報告については会計監査の結果問題なしとの報告があり、承認。2014年度予算案(2014年4月1日~30日)については、総予算135万4千257円にて承認。

3 「集団的自衛権行使容認に対する抗議声明」の提案(酒井会長)

昨年暮れに出した「特定秘密保護法」の撤廃を求める声明に続いて抗議声明を出したいとの会長提案があり、承認されました。案文は会長が作成し、運営委員会で最終的にまとめて会の公式声明として出すことにし、運営委員会に一任されました。

第2部 シンポジウム「植民地と文学」(午後3時~5時50分)

報告者

1 岡野幸江氏「平林たい子と満州」

植民地・大陸を取り上げた平林たい子の作品のなかから「改造」一九二九年二月に発表された小説『敷設列車』を代表的なものとして取り上げ、そこに描き出された植民地支配を見た。

2 藤井悦子氏「ウクライナの国民詩人シェフチェンコの民族意識」

シェフチェンコ生誕二百年にあたり、初期の詩『コブザール』と『ハイダマキ』から『三年』に至るまでのウクライナ語による詩作品を紹介して、そこにあらわれている民族意識について報告

第3部 懇親会(午後6時~8時)

二十数名の参加者のもと、酒井府会長の乾杯の音頭で始まり、山本副会長の司会で進められ、久しぶりに世界文学会恒例の参加者全員の一人「三分間スピーチ」がなされ、相互交流を深めることができ、楽しい懇親会となりました。

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