世界文学会

Society of World Literature JAPAN

2016年 第62回世界文学会大会報告

去る7月23日(土)午後2時~3時に、中央大学駿河台記念館において第62回大会が行われました。

荻野文隆運営意委員を議長として、以下のとおり議事が進められました。

1、会長の開会挨拶

  • 一般報告(大木運営委員長)

今年度は、残念ながら研究奨励賞の該当者がなかったことが報告されたのち、世界文学会の戦後70年近くの歴史をふりかえって、初代会長のドイツ文学者、舟木重信先生(在任期間1949年12月~1969年7月)、二代目会長フランス文学者、小場瀬卓三先生(在任期間1969年7月~1977年11月)、三代目会長のドイツ文学者、北條元一先生(在任期間1978年7月~1988年7月)、四代目会長の英文学者日高八郎先生(在任期間1988年7月~1997年1月)頃までは、各会長の専任校(早大、都立大、東工大、東大)が拠点校となって大学院生や若手教員の参加のもとに活動が積極的に展開されてきたわけだが、近年では中核メンバーの高齢化にともない、そのような活動形態が次第にとれなくなってきている。政府文科相の大学教育における文学系社会学系軽視の影響もあって、来年の役員改選期を前にして今後の世界文学会組織のあり方について検討しなければならない時期にきている。

 

  • 活動報告

編集委員会(斎藤佑史編集長)…機関誌「世界文学」第122号(特集 翻訳と文学)を2015年12月に発行し、「世界文学」第123号(特集 不安と文学)を本年7月に発行した。「世界文学」第124号(特集 戦後70年と世界文学)は、本年12月発行の予定。第125号は特集を「孤独と文学」とし、原稿締切日を来年3月15日とし、原稿募集にかかる。「世界文学ニュース」第112号は、本年11月発行予定である。

 

研究企画委員会(荒木詳二)…昨年から今年にかけて連続研究会のテーマを「戦後70年と世界文学」と題して、下記のとおり研究会を行った。

第一回…2015年12月19日(土)…黒古一夫「大江健三郎と戦後70年」 杵淵博樹「G.グラスと戦後文学」

第二回…2016年4月23日(土)…塩見伸一郎「中国文学の戦後」

第三回…2016年6月18日(土)…北見秀司「サルトルと戦後文学」

第四回…2016年7月23日(土)…原基晶「戦後のダンテ批評」大木昭男「ロシア農村派作家ラスプーチン文学の戦後」

 

来年度の連続研究会のテーマは、夏目漱石生誕150年によせて、「夏目漱石と世界文学」とし、下記のような予定をたてた。

第一回…2016年12月17日(土)午後2時~5時45分

田中実「近代日本小説における漱石…『夢十夜』を中心に」

渡邊澄子「世界文学としての漱石…ジェンダーを中心に」

石川忠久「漱石の漢詩」

第二回…2017年4月22日(土)午後2時~4時半

山本證「英文学と漱石」

第三回…2017年6月24日(土)午後2時~4時半

荻野文隆「フランス文学と漱石」

第四回…2017年7月22日(土)午後3時~5時45分

酒井府「ホフマンと『猫』と漱石」

大木昭男「ロシア文学と漱石」

 

3)情報委員会(杉山秀子)…HP作成を依頼している会社の担当者が病気入院のため、連絡が滞っているが、近日中に正常化したい。

  • 会計報告(長谷川嗣彦)…配布資料参照
  • 決算報告…印刷費、HP維持費、雑費(講師謝礼・交通費など)がかさんで16万円余の赤字となり、基金から補填を余儀なくされた。
  • 監査報告(酒井明子)…精査の結果問題なし。
  • 予算案(2016年7月1日~2017年6月30日)…承認

5、2015年6月8日の文部大臣通知「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」に対する四学会(日本アメリカ文学会、日本英文学会、日本独文学会、日本フランス語フランス文学会)合同要望書について…審議の結果、世界文学会としてもこれに賛同して連名し関係機関に送付することとなった。

 

〖第二部…懇親会〗

総会終了後は、午後6時から同記念館内の喫茶室“ボンヌフ”にて恒例の懇親会が開かれ、平山令二氏の司会で神品芳夫会員の乾杯の音頭に始まって、20名ほどの参加者相互の交流がかわされました。

以上

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