世界文学会

Society of World Literature JAPAN

「集団的自衛権行使容認の閣議決定」の撤回を求める声明

世界文学会は、全会一致で秘密保護法反対声明に続いて去る7月19日、日本を再び軍国主義の道に暴走させないために研究者、文学者の良心を結集させて「集団的自衛権行使容認の閣議決定」に反対する声明を出しました。なお、この声明文は朝日、毎日、日経、赤旗などに送付されましたことをおことわりしておきます。

第二次世界大戦後六十九年を迎える直前、日本国憲法により、戦後築かれてきた非戦平和を貫く日本の姿勢が崩される事態が到来しました。安倍内閣は圧倒的世論の反対にもかかわらず、更に充分な審議もなしに、時の内閣の判断により、憲法九条を無視していかようにも解釈できる、「集団的自衛権行使容認」を閣議決定という暴挙で強行可決しました。

その内容は、以下の通りです。

  1. 我が国に対する武力攻撃のみならず、密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合。
  2. これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない。
  3. 必要最小限度の実力を行使することは、「自衛」のための措置として憲法上許される。
    憲法上許される「武力の行使」は、国際法上は、集団的自衛権が根拠となる場合がある。

従来の自衛権発動の3要件は、

  1. 我が国に対する急迫不正の侵害があること
  2. これを排除するために他の適当な手段がないこと
  3. 必要最小限の実力行使にとどまること。(1954年の政府見解)「集団的自衛権」「憲法9条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されない」(81年5月29日の政府答弁書)

今回の閣議決定内容の「密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、」、「国民を守るために他に適当な手段がない」、「必要最小限の実力を行使」、「集団的自衛権が根拠となる場合がある。」は解釈次第により、日本が戦争に巻き込まれ、戦後初めての死者を出し、将来、徴兵制が採用され若者が戦死する事態に至る可能性があります。私達は、「集団的自衛権行使容認の閣議決定」に断固として反対し、その撤回を求めることをここに声明いたします。

2014年7月19日
世界文学会

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