世界文学会

Society of World Literature JAPAN

新年度世界文学会第一回運営委員会議事録

新年度世界文学会第一回運営委員会議事録
2015年10月3日(土)午後1時から 中央大学駿河台記念館1階“ポンヌフ”にて

出席者:酒井府、山本證、平山令二、斎藤佑史、長谷川嗣彦、杉山秀子、荒木詳二、荻野文隆、原基昌、大木昭男
欠席者:鈴木克己、市田せつ子、前山加奈子、鷲山恭彦、島谷謙

<<報告&議題>>

1、「安保関連」法案の廃棄を求めた声明について(平山事務局担当)
朝日、毎日、読売、日経、東京、赤旗、琉球新報などの報道機関と自民、公明、民主など各政党に、7月18日の第61回世界文学会総会で採択された声明文を郵送した。「赤旗」の7月29日号に「戦争法案強行採決に抗議の声明」の見出しで、日本民主主義文学会などの文学・芸術団体と共に抗議声明が紹介された。

2、機関誌紙の編集について(斎藤編集長)
「世界文学」第122号の特集「翻訳と文学」の編集(配布資料参照)。特集論文は全部で10本も集まったが、1部に規定枚数(上限400字50枚)を上回るものがあったので縮小を求めた。第123号の「不安と文学」特集では、取り上げる作家としてはスレボー(伊)、キルケゴール(独)、カミュ(仏)、芥川龍之介(日)の4名の名が挙がり、執筆者を次回運営委員会までに原、平山、斎藤、荻野が決めて、執筆の打診をする。
「世界文学ニュース」第110号のエッセイは、杉山秀子が、第111号は、酒井府が執筆に当たる。

3、連続研究会について(荒木研究企画委員長)
今年度の活動予定…2015年度連続研究会「戦後70年と世界文学」

第一回 2015年12月19日(土)
1黒古一夫「大江健三郎と戦後70年」(仮題)
2杵淵博樹(予定)「G.グラスと戦後文学」(仮題)

第二回 2016年4月23日(土)
塩旗伸一郎(予定)「中国文学の戦後」(仮題)

第三回 2016年6月18日(土)
北見秀司「サルトルと戦後文学」

第四回 2016年7月23日(土)
1原基晶「イタリア文学の戦後」(仮題)
2大木昭男「ロシア農村派文学と戦後」

「特別企画」として、2017年の夏目漱石生誕150周年に向けて「夏目漱石とロシア文学」~ドストエーフスキイとトルストイ~と題してシンポジウムが世界文学会主催で他の研究団体と協賛してできないかという提案が運営委員長からなされ、審議の結果、英文学や中国文学との関わりもあるので、世界文学会の連続研究会のなかに組み込んでおこなうこととなり、次回運営委員会までに来年から再来年にかけての大体の企画を出したい。

4、ホームペイジについて(杉山情報委員長)
執筆や入会などの問い合わせが杉山個人のメールアドレスに入ってくるので、入会については平山に、会費については長谷川にそれぞれメール連絡がいくように業者に確認して徹底したい。

5、庶務会計の仕事について(長谷川庶務会計担当)
会計の仕事としては、会計帳付け、会員名簿兼会費振込み記録などがあり、庶務の仕事としては、機関誌紙の送付などがあり、現在のところ機関誌の送付業務などは平山さんのところでおこなっているが、それ以外は印刷業務も含めて長谷川がおこなっているのが現状で個人の手に負いかねる。そこで印刷業務(宛名ラベル印刷、「会費納入のお願い」印刷、総会/忘年会出欠葉書作成・印刷など)を分担してほしいという要望が出された。審議の結果、研究室をもっているひとがよかろうということで、新たに運営委員となった原基昌さんにお願いすることになり、了承を得た。今後は長谷川さんの負担が軽減されることが期待される。

6、世界文学会の今後の展望
「人文・社会科学系の廃止または社会的要請の高い分野への転換」という最近の政府の文教政策からして、大学における文学研究の先細りが懸念されるなかで今後の世界文学会のありかたも考えていかねばならない。他の文学研究団体とも連携して世界文学会主導のイベントなどおこなっていくことも必要であろう。過去に「世界文学会研究懇話会」として1993年5月13日(木)に中央大学駿河台記念館講堂においてパネル・ディスカッション「ドイツ・ロシアにおける社会主義体制の崩壊と文学」を開催したところ集まりがよくて盛況であった(「世界文学」第78号88~89頁参照)。ベルリンの壁の崩壊に象徴された社会主義陣営の崩壊という現実が大きな関心を呼んだものと思われる。文学軽視の風潮に抗して、国民的な関心を呼び起こすようなイベントを企画し実行してゆくことこそ、我が世界文学会に課られた使命ではあるまいか。(文責・大木)

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